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FE486(STREAM/熱設計PAC)・FE472(SCRYU/Tetra)・FE0007(scFLOW)エラーで計算が終了してしまいました。 このエラーの意味と対処法を教えてください。

FE486(STREAM/熱設計PAC)・FE472(SCRYU/Tetra)・FE0007(scFLOW)エラーは浮動小数点演算の
例外を検出した、つまり異常な値が出たため計算を止めたという意味です。
このエラーは、計算に異常が出た後に意味のない計算を続けないよう、自動停止させるためのものです。
 
エラーには"division by zero" と"overflow"の2つのタイプがあります。
"division by zero"はゼロ割(除算で分母が0になること)が起こり、何らかの変数が
異常な値となってしまったこと、"overflow"は桁数あふれで、コンピュータが扱える範囲の
桁数を超える変数が検出されたことを意味します。
 
このエラーの主な原因は、計算の発散です。
まずは流速や温度など変数の最大・最小値が異常な値となり、発散していないかどうか
ご確認ください。
発散が原因であった場合は、一般的な発散対策として以下の内容を参考に解析内容を
見直してみてください。
 
1.単位・スケールが間違っている
 物性値や座標の単位が間違っていないかご確認ください。
 
2.デフォルトの緩和設定では計算が不安定になる(定常解析)
 緩和係数については、不安定になっている変数の設定値をデフォルト値から0.1刻み程度で
 徐々に下げていき、計算が安定するかお試しください。
慣性不足緩和については、非圧縮性解析の場合には流速、圧縮性解析の場合には流速・圧力・温度に対して、
“1”程度に小さくして安定するかお試しください。
緩和係数・慣性不足緩和を小さくすると定常判定を満たしやすくなるため、定常判定値が
適切かどうか検討してください。
 
3.時間間隔が大きすぎる(非定常解析)
 時間間隔はクーラン数1を目安にして、大きくなりすぎないようにしてください。
 
4.メッシュの品質が悪い
 STREAM・熱設計PAC:アスペクト比や等比率をご確認ください。
SCRYU/Tetra:h-ratioやShape Factorをご確認ください。
scFLOW:要素品質チェックで要素品質をご確認ください。
 
5.条件が厳しい・不自然である
 変数の変化が大きすぎる、流れや熱の逃げ道がないなどの状況があてはまります。
 変数の変化が大きすぎる場合は、変数テーブルを用いて変化を緩やかにすることで
発散を回避できる場合があります。
 
6.ゼロ割が起こりうる設定
 解析条件やユーザー関数内で、ゼロ割が起こりうる値や計算式を設定していないか
ご確認ください。
 
計算の発散以外では、予期せぬ不具合によってエラーが発生する場合もございますので、
最新版のモジュールで計算をお試しください。
 
上記を確認されても原因が不明な場合は、サポートまでご連絡ください。