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室内用空気清浄機の性能調査をシミュレーションから取り組んでいます.空気清浄機からは一定量流量の空気を吸引,吐き出す性能があり,空気清浄機を室内に置いた際,室内の空気が空気清浄機によって循環します.その際,室内の空気の循環具合をデータ化したいです.室内の空気の循環具合を調べることができる機能がscryu/tetraにはあるとお聞きしましたがScFlowにはそのような機能がありますでしょうか.「室内のこの部分の空気は頻繁に入れ替わっているが,この部分はあまり入れ替わっていない」というようなデータが欲しいです.

室内用空気清浄機の性能調査をシミュレーションから取り組んでいます.空気清浄機からは一定量流量の空気を吸引,吐き出す性能があり,空気清浄機を室内に置いた際,室内の空気が空気清浄機によって循環します.その際,室内の空気の循環具合をデータ化したいです.室内の空気の循環具合を調べることができる機能がscryu/tetraにはあるとお聞きしましたがScFlowにはそのような機能がありますでしょうか.「室内のこの部分の空気は頻繁に入れ替わっているが,この部分はあまり入れ替わっていない」というようなデータが欲しいです.
  • 給気口から入ってきた新鮮な空気は、いろいろな道筋を通って室内のある場所に達します。その後、いろいろな道筋を通って排気口から出て行きます。給気口から入って、ある場所に達するまでの時間を空気齢, そこから排気口までの時間を空気余命といいます。
    STREAMというソフトウェアには、空気齢、空気余命、そしてその2つを足し合わせた空気寿命を出力する機能があります。空気寿命は解析領域内に留まっていられる時間を表します。なので、空気寿命の計算ができれば、空気寿命(秒)/3600(秒)で、時間当たりの換気回数分布を評価することができます。
     
    しかし、ご指摘の通り、残念ながらSCRYU/Tetra 、scFLOW ともに空気齢、空気余命、空気寿命を計算する機能はありません。当面の開発計画にもないようです。STREAMは、このように室内空調解析向けの機能が充実しているので、こちらを使用するのがよいかもしれません。
     
    それが難しいなら、scFLOWで空気齢だけ計算して、それで評価するという方法があります。
    空気齢だけなら、scFLOWの拡散物質の計算機能を用いて計算することができます。
    ●scFLOWの拡散物質機能を使用して、空気齢を計算する手順
     ①[条件ウィザード]-[解析タイプ]で[拡散物質]をオンにします。
     ②[条件ウィザード]-[拡散物質]で[拡散係数]を0として拡散物質を作成します。
     ③[条件ウィザード]-[発生条件]から領域全体に対して[一定発生量(単位体積あたり)]で
     [拡散物質濃度]を発生させます。[発生量]は1[1/s・m3]とします。
     この設定を行うと、拡散物質濃度を空気齢[s]とみなす事ができます。
    以下、「例題1.1 バックステップ流れ」 を使って空気齢の計算を拡散物質で代用したサンプルです。
    ​左端のinlet面で1m/sで空気が流入します。
    解析領域の長さが20m です。 点(1)は流入直後で0.09秒と若いです。点(2)は約20秒となっています。
    点(3)は空気のよどみによって、高い空気齢になっており、「汚れている」と言えます。
    給気口から真っ直ぐに排気口に向かう流線上の空気齢、点(2)などは除外して、それら以外の高い空気齢の部分、点(3)付近などは換気が難しい部分であると評価することができると思います。現状はこのように拡散物質による空気齢で評価するしかないように思います。
     
    以上、ご参考まで。